2021/11/21

PM2.5増加 韓国の都市部で活動制限する非常措置 国民の間に広がる「ある不安」

◆半年ぶりの「非常低減措置」

ソウル市など韓国の都市部でPM2.5(大気中に浮遊している粒子)が平均値を超え、「非常低減措置」が発令された。ソウル周辺での発令は半年ぶりとなった。

 

「非常低減措置」はPM2.5の平均濃度が1立方メートルあたり50マイクログラムを超え、翌日も同じ基準が続くと予想される時に出される。PM2.5を大量に排出する事業所などでは、操業時間の短縮や排出量の調整が求められる。排気ガスの排出量が多いトラックなども運行が制限される。

 

ソウル市では事業所や建設工事現場約400カ所で、営業時間短縮や老朽化した機械の使用制限など、PM2.5を減らす対策が取られる。野外イベントも原則、禁止されるという。

 

地元メディアによると、PM2.5の濃度が高くなった原因は朝鮮半島周辺を高気圧が覆い、大気の流れが停滞したためだという。また、国外から大気汚染物質が流れ込んだ影響も指摘されている。

 

◆国民が懸念する尿素水不足との関連

韓国では非常低減措置が出されるのは珍しくない。20193月には、都市部を中心に16の地域で発令され、期間は1週間ほど続いた。ただ、今回の発令には国民から、ある懸念が指摘されているという。

 

「この時期にPM2.5の濃度が平均値を超えるのは珍しい。新型コロナウイルスによる制限は緩和されたが、大きなイベントがあって交通量が急激に増えているわけでもない。国民からは尿素水不足で、車の排出ガスが増えているのではないかという不安の声が上がっている」。

 

韓国に駐在記者が指摘したのは「尿素水不足」。尿素水はディーゼル車の排出ガスを浄化する際に使われるが、韓国は今、深刻な尿素水不足に陥っている。輸入の約97%を占めている中国が輸出を制限しているためだ。韓国政府は中国以外の国から一定量を確保したとしているが、国民のもとには届いていないのが現状だ。

 

例年、韓国でPM2.5の濃度が上がるのは12月から3月だという。政府はPM2.5と尿素水不足の影響については触れていない。だが、11月中旬に平均値を上回る事態に国民の不安が高まっている。

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